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関東人が祝島に行きました−5


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那須の豊穣庵の奥様よしえさんはパワフルな上にお料理上手な女性です。この日は上関で反原発集会のお手伝いで、朝早くからいろいろと働いていたそうなのですが、宿につくとさっそく夕飯のしたくに動き出しました。 食材を整理してわずかに考えこむと、「うん、じゃあれんこんをすってつなぎにしてひじきのハンバーグにしましょ!」思いもよらぬメニューをパパっと考案。れんこんは名物「岩国れんこん」です。関東のれんこんよりもホクホクしているそうです。ひじきは天日干しのおかげか味が濃いんですよー。

そういうわけで、メニューは

岩国れんこんと祝島ひじきのハンバーグ、おろし醤油をそえて、 ひじきの炊き込みごはんのおにぎり、 ピチピチのお魚はKくんがさばいて野蒜とお味噌(これもよしえさんお手製)でアジのなめろう、 それと小アジを揚げて南蛮漬け、摘んできた菜花など、 その他よしえさんが親しくしている島の方もお魚を差し入れてくださって、祝島食材がいっぱい集まりました!

お料理部隊が動き出したその間、私はというと、昨日は入れなかった食料品店に買い出しに向かいました。同じく入れなかった2人と連れ立って。 目的はまた天ぷらと石豆腐ですが、ついでにもしお土産になりそうなものがあれば買いたいなーと考えながら。

しかしお店に入ってみると、期待むなしく島の人向けに船で運んできた品物が中心といったところ。びわ茶だけは生産地価格で買えてラッキーでした。他に何かないかなーと目をこらすと、小さい干し魚がたくさんつまったビニール袋、よく見ると見覚えのないお魚です。かれいのような。 「これはねー、でんびら、背骨が固いから木槌で叩いて骨をとって食べるのよー」。と店のおばさん。


でんびら??? 木槌で叩く? よくわからないけど安かったし日持ちもしそうなのでとりあえず買ってみました。なんとなーくのんびりした絵が浮かびます。一尾づつ木槌でとんとんしながらストーブの上か網であぶって家族で食べるのかなー。

お店を出ようとすると、おばさんがスティック状の天ぷらを3本差し出し「これどうぞ〜3人だから3本〜」と言ってくれました。 お使いに来たごほうびをもらったみたい。ありがたく頂戴しました。


祝島の食卓

Yasou

人数も増えたので夕飯はテーブルを2つつなげて並べました。写真をほとんど撮ってなくて残念。食べるのに夢中で。。残らずおいしくみんなの胃袋におさまりました。

翌日は浜に行ったり移住者の貴重なお話を聞いたりして旅はまだまだ続くのですが、長くなるのでこのへんで。 短い滞在でしたが、祝島の静かで心地良い時間の流れに、いつの間にかどっぷりつかっていました。

せわしなさよりもゆったりさに早々と適応してしまうのは私に限らないことでしょう。人はそうできているんだと思います。

島に移住された方に聞いたお話で、 「島は現金収入はあまり得られないけど、食べることには困らない。都会みたいに働かなくても食べてはいける」というのが印象的です。都会とはまた違った豊かさがあるんだなーと感じました。あと大工さんがいっぱいいるという話もおもしろかった。ここではいくつか職業を兼任しているのが普通なんだそうです。職業が細分化されている都会とは違いますね。

そんな素朴で穏やかな暮らしが淡々と営まれているようで、並行して生活の一部になっているのが原発建設の反対運動です。もう30年以上も抵抗を続けているというからすごい! 海、山、自給的な暮らし。こういうものの大事さは失くしてから気づくことが多いものですけど、島という空間だとより切実なんだと思います。

福島の事故でいったんは止まっていた建設計画もまた復活してしまい、島の人達の戦いも続いています。 一刻も早く安心して暮らせる日が来ることをつよく願わずにはいられません。

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